異世界に転生した俺の《自由研究》スキルで夏休みから最強生活【萌学会版】
どうも、日本萌学会のはるひです。
毎日暑い日々が続き、もうすっかり夏に染められた世界になってしまいました。夏といえば夏休みを思い浮かべますね。
私は大学生の夏休みをだらだらと満喫しているつもりですが、社会的に許される最後の長期休暇としてどこか切迫感と閉塞感を感じています。
遡って高校生の夏休みを思い出してみると、それは最も悲惨な長期休暇でした。私の高校は夏休みの3分の2ほどの期間、強制的な課外授業が午前中にあり、午後は体育祭の為の労働が半ば強いられていたため、ほぼ自由時間はありませんでした。
中学生時代では部活動に精を出しており来る日も来る日もプールの水と戯れていました。思い出してみるとそれはそれで心地よい日々であったような気がします。ですが、自由には程遠いものでした。
であれば小学生時代の夏休みこそが屈託のない、純真で開放的で自由なものだったのだと、あの頃の太陽が最もきらきらと輝いていたのだと断言できるでしょう。
友人たちとセミを取ったり水鉄砲で対決したり、暑い窓辺でアイスを齧ったり、冷房の効いた部屋で昼寝をしたり。そんな眩き日々の中にも厭うべき敵がいました。そう、夏休みの宿題たち。その中でもラスボス格であった自由研究課題。今となっては良きライバルだったと認めることが出来ます。
大学生となった今も、彼が居ればあの頃の輝きを、少しばかりは取り戻せるのかもしれません……。
…前置きはもう忘れてもらっていいのでこちらの画像をご覧ください。
異世界!転生!!スキル!!生活!!!最強!!!!
ああっと!!なろう耐性が無い読者の方には少々酷な画像を表示してしまったかもしれません。こちらの画像は小説投稿サイト「小説家になろう」の異世界転生転移ファンタジーの人気作品のタイトルをワードクラウドにしたものです。
ご覧のようになろう作品の特徴といえばクソダサい特徴的な単語が多用され長大なタイトルですが、実際のところ本当にイメージ通りなのか、特定の作品が悪目立ちしているだけではないだろうか、と疑問を持ったことは無いでしょうか。というわけで今年の夏休み自由研究はなろう作品のタイトルについてです(前置き回収)
検証方法
「小説家になろう」の各ジャンルの月間ランキング上位100位までのタイトルの頻出単語を集計しどのような傾向が現れるのか見ていきたいと思います。
今回集計されるのは名詞、動詞、感動詞のみとなっています。動詞は原形に戻し集計します。
作成したプログラムの都合上、特定単語が他の単語に含まれていた場合、他の単語の分もカウントしてしまうため漢字一文字の単語が検出されやすくなっています。
(例) 「者」という単語があるとき、「弱者」という単語があっても「者」の使用回数が加算される。ただし「弱者」もそれとは別に加算される。
異世界転生/転移ジャンル
このジャンルは「ファンタジー」「恋愛」「その他」に分化されます。それでは集計結果をみていきましょう。
わお。なろう読者の方であれば、なるほどなーと言いたくなるようなデータではないでしょうか。左から順に詳しくみていきましょう。なお下線についてですが、赤が3ジャンル全てに見られる頻出単語、黄色は2ジャンルにまたがって見られる注目単語、青は各ジャンルの注目してほしい単語になっています。
異世界転生/転移 ファンタジー
平均タイトル文字数が27字と他の2つに比べて少しだけ長いようです。ちなみにこの記事のタイトルは35文字です。
このジャンルの約半数には「世界」(異世界)という語が使われているらしいです。異世界ものとタイトルで明示するなら当然の結果と言えます。加えて間違いなく「転生」するジャンルであるためこの単語も頻出です。「最強」や「スキル」といったなろう作品にありがちな単語が上位に来ているあたり予想通りと言えるでしょう。
「する」や「なる」という動詞が多いのはタイトルがあらすじ化するというなろうの習慣上当然だといえます。
「俺」が上位にある為、男主人公作品が多いことが予想できます。体感としても実際多いです。
異世界転生/転移 恋愛
前ジャンルとはがらり変わって「俺」ではなく「私」が上位に来ており女性主人公が多いことがわかります。「悪役」「令嬢」「乙女」「ゲーム」「攻略」「ヒロイン」など明らかに連関のあるワードが揃って頻出していることから、乙女ゲームの悪役令嬢に転生する悪役令嬢ものの流行が伺えます。「婚約」「破棄」といったなろう読者におなじみの単語も顔を出しています。
異世界転生/転移 その他
ファンタジーと恋愛の中間ぐらい傾向を表している気がします。そもそもその他ってジャンル分け雑すぎてなんもわかりません。またこの3ジャンルの中では最も単語の偏りが少ないようです。
異世界ファンタジージャンルにも言えることですが「スローライフ」という普通の小説では見かけない単語がランクインしています。実際、なろうではよく見かけます。「農業」とかと併せて。
ここまで検証(?)してきましたが思ったよりも偏ってないですね。「最強」も16回止まりですし、実はなろう作品のタイトル事情はさほどではないのかもしれません。さてさて次のジャンルを見ていきましょう。
ファンタジー
このジャンルは「ハイファンタジー」と「ローファンタジー」に分けられます。気付く人は気付いてるかもしれませんが、なろうって異世界転生転移作品が多すぎてランキング上でそれだけ隔離されてるんですよね。ウケる。
……うお!うおおおお!!!
失礼いたしました。あまりのなろう濃度の高さに大声が出てしまいました。
ハイファンタジー
平均タイトル文字数49字程度。講義後に出す出席確認代わりの雑な感想みたいな分量だ。そりゃ「する」という動詞も98回カウントされるわけで。
最上位に出ててくる単語の顔ぶれにあまり変化はありませんが、その偏り具合が異常です。「最強」「追放」あたりは先程に比べて約2倍の偏りが発生しています。両者とも作品の4割に含まれていることになります(ただし同じ作品に何度も同じ単語が使われてなければですが)。母数は変えてませんからね?更にハイファンの場合そもそも底が高くなってて40番目の「貴族」さえ5回も登場しています(異世界ファンタジーの場合は「王」で3回でした)
個々のワードを見ていきましょう。
さっき話題に出ました「追放」ですが、これはなろう内の流行りである追放ものに起因しています。大まかな流れを説明すると、弱者とされている主人公がある集団を追い出されるものの、その主人公が実は強者であり(あるいは追い出されたあとに強大な力を手に入れ)、その力で元いた集団を見返して気持ちよくなるみたいなやつです。(あくまでテンプレなので必ずしも全てがその流れなのではなく様々な変化型があります)
「成り上がる」に関しては字の如くです。タイトルで成り上がってるのはなろうでは日常茶飯事です。確かに主人公が成り上がる物語は古今東西人気でしょうが、わざわざタイトルで書いてしまうのがなろう流。
「パーティー」「ギルド」「Sランク」といった用語がタイトルで多用されるのもなろう流。これがわからない。マジでなんで?誰か教えて下さい。
前述の「スローライフ」もそこそこ頻出です。
あとキモい意味がわからないのは「寝取る」が4回登場してることですね。画像内には表示されてませんが。
ローファンタジー
平均タイトル文字数は29字ぐらいでまだまともです(感覚麻痺)
ローファンで一際目立つのは「ダンジョン」でしょう。これも流行りです。今、ローファンジャンルでは現代日本が何故かファンタジー風になり、生えてきたダンジョンを攻略するみたいなのが流行ってるみたいです。自分はこのジャンルあんまり触れないので詳しくは知りません。
他にこのジャンルに特徴的なのは複数の動詞が結構な数重複しているということでしょうか。
目についた単語を中心に雑に分析してきました。なろう読者の方であればもっと色々ツッコミを入れたい部分が見受けられたとは思いますが、概ねファンタジージャンルではなろうっぽいタイトルは間違いなくなろう作品の多数を占めているようです。タイトルに関しては良いのか悪いのかはわかりませんがイメージだけでなく実を伴った風評でした。
一応他のジャンルのデータも取ってるので全部書こうとしてたんですが流石に辛くなってきたので今回はここで終わりにします。続きは多分自分のブログでやるので、もしも気になる方がいたらTwitterをフォローするなりブログの読者になる(追記:左のブログにちょっとした続きを書きました)なりすると良いと思います。
じゃああとおすすめのなろうっぽいタイトルのなろう小説とそれっぽいまとめ部分書いて帰るね……。
おすすめのなろう小説(いつもの)
「お前ごときが魔王に勝てると思うな」とガチ勢に勇者パーティを追放されたので、王都で気ままに暮らしたい
TRPGプレイヤーが異世界で最強ビルドを目指す ~ヘンダーソン氏の福音を~
3番目は書籍化の際にそれっぽいタイトルへ改題させられたらしいね
結びの言葉
昨今の萌え業界でもなろう系作品の存在感は日に日に増していくばかりです。逆張り通ぶりオタクが多い日本萌学会(集団)でも見て見ぬ振りは出来ないほどになってきました。今までなろう作品に触れたことのなかった萌え人たちもこの機会に「小説家になろう」という大海原に漕ぎ出してみるのも良いのではないでしょうか。なお多大な時間を無駄にしても当方は責任を負いかねます。
それでは皆様、良い夏を!
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