絵を描くというのは狂う行為である

おはあじ。日本萌学会のくらはしです。突然ですが萌え萌えクイズのお時間です。


解答はこの記事を書き終わるまで覚えていたら最後に発表します。




さて本題に移りますが、今回話すのは萌え絵、とりわけ萌え絵を描くときのことについてです。

(ここで言う萌え絵とは広義のものであり、イラストとほぼ同義です。)(じゃあそう書けばいいじゃん)(うるさい黙れ)(ごめん……)



筆者も時々絵を描いてツッタカターに上げたりしています。直近の絵はこれ!

よくね?(ワニ)



めちゃくちゃ気に入ったので数日前からずっと自画自賛をしています。

(ちなみにこれは急にTLに流れてきた神絵師の絵を見て現実を思い知らされるところまでがワンセット)



そして今日は、先日この絵を描いているときに気づいたことがあったのでそれについて書こうと思います。

(ここから本題)



そもそも絵というものに関してですが、我々は絵を描くとき、三次元の空間を平面のキャンバスに落とし込むにあたって視覚情報を解釈し、再構築する作業をしています。

中にはフォトリアルのような写実的なものもありますが、たいていのイラストでは現実よりも情報量を減らして描画するための工夫を行っています。(例えば輪郭線とか)

まあ有り体に言うとデフォルメしてるってことです。



そして萌え絵もその例に漏れず(というかかなり極端に)デフォルメをする類の絵です。

するってーとこれまでたくさんの先人たちが絵を描いてきた過程で生まれた"記号"がいろいろと存在している訳ですね。

"記号"ってのは先ほど述べた工夫、つまり「こんな感じで描けば(仮に人体構造や物理法則が完璧にわからなかったとしても)それっぽく見えるよ」ってやつです。

この"記号"を上手く身に着けていくことが、いい感じの絵を描けるようになるルートの1つであると言えるかもしれません。

そんでもってその"記号"を覚えていくためには、似たような萌えイラストの描き方を真似していくのがわかりやすいのかなと思ってます。



しかしながらここで陥りやすい罠があるんですよね。

それはデフォルメに次ぐデフォルメによって、"記号"が伝言ゲームのようにじわじわと本来の意図を外れて行ってしまうという問題です。

モデルにした絵のタッチを完璧にコピーできればいいんですけど、やっぱり画力や慣れの差というのはデッサンの乱れや誤差という形で出てしまうので、それが蓄積すれば初めとはかけ離れたものになってしまいます。(フグ毒みたいだね←は?)




とまあこんな言い方をしておいてアレですが、

絵は描くだけで十分えらいので過度に気にしすぎないようにしましょう。

キミもえらい!僕もえらい!描いてない人もえらい!




とは言いつつ(逆説の連打)「自分は絵が上手くなりたいんだ(過去の自分との比較)!」って場合はある程度気にした方が良いかもとは思ってます。




文字だけだとわかりにくいので、筆者が前に描いた絵を具体例として見ていきましょう。



旧石器時代のツイートですが比較的かわいく描けた絵を選びました。(自画自賛)


いろいろとツッコミ所はあるかもしれませんがここでは1か所だけピックアップします。(なぜならば過去絵にあれこれと文句を付けられるほど今も絵が上手いわけではないので)



はい、ここです。

なんということでしょう

Dが左右反転しちゃってます。



この砥の粉色(今調べて見つけた色名です)の物体の形が何を意味しているのかを見るために、同じ意図で描かれた(であろう)部位が存在する別の公式の上手いイラストと比較してみます。

SO CUTE!!!!!



それからここ!

うっっっっま!!!!!!!


これなら髪の流れがよくわかりますね。ちょっと隙間を開けることで髪質と動きが良く表現されています。最初の絵はこれがやりたかったみたいですね。



さっきの部分をもう一回見てみましょう


パーキングエリアみたいになっちゃってます。(まあかわいいからいいんですが)(親バカ)


とまあこんな感じでよくわからない不自然なデフォルメになっちゃったりする訳です。

あとよく理解せずに描いてると塗るときにどうすればいいかわかんなくなって困るんですよね。(これはマジ)



で、なんでこの話を書こうかと思ったのかというと、別に過去絵にイチャモンを付けようという魂胆ではなくて、この現象にはちょっと恐ろしい部分があるなと思ったからなんです。


というのも、この自分の描いている絵と描く対象が本来あるべき姿との間のズレというものが、描いてる本人にとって非常に認識しづらいんです。

なぜかというと、「描き手が見て近づけようとしている対象」が「参考にしてる自分の好きな絵」そのものになってしまって、本当に近づけるべき「描く題材の本来の姿(脳内に漠然と存在しているはずの理想の姿)」が頭から抜け落ちてしまうからだと思います。

そうなると好きな絵と自分の絵の差はわかっても元の題材とのズレが見えなくなってしまうんですよね。

分かりにくいですね、図で説明します。



図です。

(リアルに近いと必ずしも上手く見える訳じゃないですが細かいことは置いておきましょう。)

(↑余談ですがゲームなんかではRealityとBelievabilityという概念があるらしいですね、説得力があるということは、必ずしも写実的で現実に近いという訳ではないとかそういうイメージだと思います、違ったらごめんなさい。)



こんな感じです。(雑)

ここでリアルと書かれている「万人にとっての上手な絵の理想形」のようなものが存在しているのかといった点についてはそれだけで難しい論題ですが、一般に上手い絵とか絵が上手い人という共有されたイメージがあるので、まあだいたいそんな感じの概念を認めてもいいとして話を進めていきましょう。(工学屋の感性)


我々が上手だと思う絵なんかで既によく使われてるデフォルメ手法(序盤で言ってた"記号")っていうのはちょうどいい感じに見えるよう上手いこと作られたもの(かなりふわっとしていますが)なので、そこから変にズレちゃうと結構違和感が出てしまうんですよね。


で、これを回避するためには「この表現(記号)というのは何を意図して使われているのだろう」とリアルのほうへ常に思いを巡らせながらペンを走らせなければならないのですが、それをやるとほんとに狂う。めちゃくちゃハゲる。絵は楽しく描かせろボケ。



つまりは「絵が狂うか、手前が狂うか、選べ。」ってことです。

いやはや絵って難しいですね。(ちなみに生活リズムも狂います。)



つらいので困ったときは"味"ということにして逃げましょう。(超絶オススメ)




続いて、ラジオネームくらはしさんからのお便りです。


男性や老人キャラが全然描けません。どうすればいいですか?



どうせ趣味なんですし好きなものを描きたいように描けばいいんじゃあないでしょうか。

今後描きたくなった時のためにウメェエエエエと思った絵師さんの絵は好きな時に見に行ける状態にしておくと吉。


あとこれはライフハックですが、神絵師は神絵をRTしがちなので見つけたらフォローしたほうがいい。




以上、リアル人物だけじゃなくて上手な絵も参考にしたほうがいいかも。

でも参考にする絵を選ぶときに「自分の画力でもそれっぽくできそうだから真似する」みたいな基準は危険な場合もあるかもよというお話でした。




まあかわいければ何でもいいんですけどね!!!


日本萌学会ジャーナルブログ「萌え人」

日本萌学会を中心に結成されたオタク集団、「日本萌学会」の公式ブログです。 早く滅ぼしましょう。

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