【SS?】はやかわ「私設の美術館?」
※この記事は7月アドベントカレンダーの記事(8/3)として作成されています。
→8/2のはやかわさん(えっ、私?)の記事はこちら。
???「これ、ルーブル美術館に飾ってあった!!!!!!!!!!」
わたし「うわ、いきなりなんだよ。うるさいなあ」
キンキンとした、いかにもアホっぽい声が部屋中に響き渡り、私は顔をしかめる。私が顔をしかめたのは、もちろんうるさかったというのもあるんだけれども、何よりも気分を害したのは、この言葉が私に向けられたものではない、いわゆる独り言であったからだ。
???「聖女様、本当に萌えすぎて大声出してたんだけど、大声を出し過ぎてキャラの声が聞こえなかったから声に集中しようと巻き戻してもう一度見返していたら、顔だけじゃなくて声も萌えすぎて、より大きな声を出しちゃった(萌えキャラしぐさ)」
このTwitterでよく見かける絶妙に文法が終わっている文章を、キーボードをパチパチと打ち込みインターネットという大きな流れの川に放流するならまだしも、大声で、画面に向かって、しかも人が見ている前で、誰に伝えるでもなく、ただ自分の満足のためだけに、叫んでいる、真に終わっている人間。それが、
はやかわ「はやかわっちもなれるかな、あこがれの萌え聖女に。なりたいな ならなくちゃ ゼッタイなってやるーッ!(存在しないめざせ萌えモンマスターの歌詞)」
はやかわ(@kewiihai)という人間だ。
……
わたし「で、なんだったん? ルーブル美術館がどうやらって」
はやかわの突然の叫びから小一時間が経ってから、わたしはそう問いかけた。いや、本当は何回か声をかけていたんだけれども。はやかわは画面の先の可愛らしい女の子が動く映像、アニメにずっと目を奪われており、私の声なんて全く聞こえていないようで、
はやかわ「あ、いたんだ。」
必要量の萌えを摂取したのだろう、ようやく満足そうに画面から目を離したのがあの叫びから小一時間後だったというだけなのだ。
わたし「あんた……本当にアニメを見始めると周りのことが見えなくなるよね」
はやかわ「あ、それ萌えキャラしぐさっぽい。ツイートするか」
アニメ見てたら人に話しかけられたのに全く気付いてなかったね(萌えキャラ)
— はやかわ (@kewiihai) August 3, 2023
わたし「……あんたって本当に存在がインターネットというか……」
はやかわ「照れちゃった」
わたし「インターネットって言われて照れるの、まあまあ終わってると思うけど。一般的には悪口だし。」
はやかわはその立派に生えているアホ毛のあたりを搔きながら照れくさそうに笑う。
はやかわ「で、なんだっけ、ルーブル美術館だっけ、行きたいの?」
わたし「違うって。あんたが言ったんでしょ」
はやかわ「……?」
わたし「ああ、あれって無自覚なんだ……」
なんだか、言語に限りなく近しい鳴き声のようなものなのかもしれない。
はやかわ「ああ……もしかしてアニメを見ている時に叫んでた? ルーブル美術館に飾ってあった、みたいな」
わたし「ああ、それそれ」
はやかわ「あれはね、真実の萌えを見た時の心からの声なの」
わたし「……?」
はやかわ「まあ、分かんないよね、説明するよ」
そこからしばらく、はやかわによるルーブル美術館についての解説があった。とは言っても、ルーブル美術館(Twitter)のことだったけれども。ちなみにはやかわはルーブル美術館どころかヨーロッパにすら足を踏み入れたことがないらしい。よくその状態でルーブル美術館がうんぬんと言えたな、と少しばかり思ったが、どうやら「ルーブル美術館に飾ってあった」というのはネットミームらしい。しかもインターネットの本当に片隅で流行っている、ネットで検索しても簡単には出てこない、聞いたところであまりにも使い道のないネットミームだ。脳の容量のムダ、という気持ちを押し殺し、少しばかり簡単に説明すると
『アニメや絵などで、あまりにも美しく、萌えたものを見た時に、その素晴らしさを称える時に使う言葉』らしい。
世界最大級で最も入場者が多く、世界で最も有名な美術館。その著名な美術館の素晴らしい収蔵品に肩を並べるほどに素晴らしい萌え画像、と言ってしまえばオタク特有の誇張表現ネットミームの一つだが、オタクのイメージからかけ離れたルーブル美術館というワードを萌えと結びつけるちょっとした強引さにちょっとした面白さがある。あるのだが……
わたしはちょっとした違和感が拭えないままでいた。
わたし「あの……さ」
はやかわ「ん?」
わたし「ちょっと思うんだけど、ルーブル美術館である必要はないよね」
はやかわ「……どういうこと?」
わたし「言ってしまえば、ルーブル美術館判定って、自分が選んだ最強の萌え画像ってことじゃん、オタクってさ、基本的に逆張りのスタイルでいるのにさ、自分が選んだ最強の萌えを世界で一番有名な美術館に飾るのってさ、オタクの本能に反している行為な気がするんだよね」
はやかわ「確かに……」
わたし「誇張表現としての有名処ってのは分かるんだけど、オタクならさ、逆張って自分だけが大切にしたいと思うちょっとした萌えを個人経営の美術館にひっそりと飾るのが正しいスタイルな気がするんだよね」
はやかわ「個人経営の美術館ってなに? (個人経営の美術館ってなに?)」
わたし「結構あるんだよ、コンセプトを一つに絞って、こじんまりとした感じでやってる私設の美術館みたいなのが」
はやかわ「へぇ~」
まったく感心してなさそうな生返事が返ってくる。わたしは続ける。
わたし「でもさ、はやかわっち、こういうの好きそうじゃん。」
はやかわ「そう……?」
わたし「よくやってるじゃん、インターネットで。第1回『この式宮舞菜の口の形を庭の池にしたい』選手権みたいな、自分の好きの細かいところを記事にするやつ。アレ、ほぼほぼ私設の美術館みたいなもんじゃない?」
はやかわ「あぁ~そういえば……そうかも? アレも言ってしまえば『口の形美術館』だもんな~」
わたし「口の形美術館は……よく分からないけれども、まあそういった感じかな。」
はやかわ「そっか、よくよく考えてみたらはやかわも建ててたんだな、美術館」
わたし「でしょ? ……だからさ、ちょっと考えてみたら? 自分が美術館をやるならどんなのをやってみたいかって。そういうのが、ブログの記事につながるんじゃない?」
はやかわ「そっか~……うん、確かに! ちょっと考えてみる!」
……
<翌日>
こんにちは、はやかわです。
突然ですが、皆さんはこんな言葉を耳にしたことはないでしょうか。
「これ、ルーブル美術館に飾ってあった!!!!!!!!!!」
これは、インターネットの片隅に住む一部のオタクが萌え画像を見た時にその素晴らしさのあまりつい口をついて出てくる言葉の一つです。
美しさが極限突破した萌え画像であれば、世界で最も有名な美術館であるルーブル美術館の収蔵品として遜色ない、というオタク特有の誇張ネットミームですが、私は最近この言葉に思うところがあります。
「お前の萌え画像、そんな順張り美術館に飾っていいのか……!?」
と。
……
突然の大きな文字で社会派発言をしてしまい、申し訳ございません。しかし、よく考えてみてください。
オタクの皆さん、逆張ってますか? 私は逆張っています。
オタクというのは悲しいかな基本逆張って生きていく生き物。大きな資本やファンの多いコンテンツを敬遠し、我が道を行く生き物。
そんな逆張りが基本のオタクが……
自分の好きな画像を、ルーブル美術館に……?(ゾゾッ……
違いますよね? オタクなら
自分で美術館を建てんかい!!!!!
行くぞ!!!!! 見せてやる!!!!! はやかわの「かんたん作画なのに萌えがあふれる萌聖女ちゃん美術館」を!!!!!
うおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!
おおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!
……
…………
いや、ルーブル美術館には「聖女」の絵も飾ってるし、「聖女様」ならルーブル美術館に飾ってあっても何らおかしくないやろがい!!!!!!!!!!!
……
違うだろ!!!!!!!!!!
男なら本能に従って、私設じゃないとできない「てんぷるえっち美術館」を建てろ!!!!!!!!!!
蒼葉月夜(CV:芹澤優)
三日月寺の次女。
気が強く、尼寺に寺務員として入り込んだ赤神を追い出そうと試行錯誤する。
姉である結月のことが大好き、シスコン気味。
3姉妹随一のナイスバディ。
……
まあまだ俺がてんぷるで誰が好きかはバレていないと思うが……
なんでとは言わんが、最高やね。
……
…………
………………
はやかわ「こんなんでどう?」
わたし「クソ記事ができちゃった!」
おわり
(翌日の記事が更新されたらここに貼る)
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